心の準備編|デザインする力を育てよう

心の準備編|デザインする力を育てよう

いろんな視点をつなぐ力

「多角的な視点を踏まえて、新たな視点を生み出す力」だよ

前提を疑ってみよう

あなたは今、取り組む対象に近づいて深く理解したり、離れて関係性や構造を把握したりして、色々な情報を手にしました。そこからどんなものが見えてきましたか?

「俯瞰する力」で挙げた例で考えてみましょう。先輩が厳しいのは伝統だ、ということがわかりましたよね。それに対して、それは伝統だから変えられないと思うのか、そもそもその伝統って守るべきものだっけ?と思うのか、同じ現象に対する捉え方はまったく異なります。

このケースでは友だちが学校に行けなくなってしまったという問題が起きています。つまり、守るべき伝統ではないと考えていいでしょう。先輩も伝統だから厳しくしただけで、本当は厳しくしたいと思っていない可能性があります。これまでの考え方のフレームを疑い、新しいフレームでものごとを捉えると、新たな解決方法が見えてくるような気がしませんか?

いろんな視点をつないで、今までとは異なる考え方でものごとを捉えてみる。これが、「いろんな視点をつなぐ力」です。このようにものごとの本質を捉えようとすることを「批判的思考」や「クリティカルシンキング」と呼ぶこともあります。

問題を捉え直そう

目の前の問題だけ見ていると、表面的なことだけに囚われて本質的な問題が見えなくなることがあります。集めた視点から対象に対する洞察を深め、本当の課題は何か、対象が本当に求めていることは何か、思い込みを手放して、テーマやアイデアを考えることが大切です。それを発見してはじめて、解決につながるアイデアが生まれます。自分がワクワクするかどうかも大事なポイントですね。

多角的な視点を得る機会をつくろう

地域や当事者について理解するために、さまざまなステークホルダー(関係者)に話を聴き、多角的に捉える機会、他者の視点を意図的に入れる機会をつくるとよいでしょう。できるだけ、現地に足を運ぶことが大切です。当事者には見えていないことやことばでは伝わらない感覚を得ることができます。

視点を切り替えて考えよう

ひとつの視点ではなく、いろんな視点を得た上で「そもそも、この前提に問題があるんじゃないか」「立場が違うと意見がわかれるけれど、双方にとってプラスになる方向性もあるんじゃないかな」など、新たな視点から考えることが必要です。

新しい切り口を見つけることは簡単ではありません。日本のことわざに「押してダメなら引いてみな」という表現があります。単純な例で考えてみると、押し扉だと思い込んで「開かない、開かない」と困っていた扉が、実は引き戸だったなんてことがありますよね。つまり、「押す」ことをゴールにしたら、いつになっても扉は開きません。視点を変えて、扉を引いてみたらスッと開いた、ということはさまざまな場面で見られます。このように、枠を外してアイデアを生み出すためには、さまざまな視点から考える必要があります。

まとめるのではなく、新しいアイデアを生み出そう

アイディエーション(アイデア創出)ではユニークなアイデアが出ていたのに、企画の段階になったら急につまらない無難なものになってしまった、という経験はありませんか? 調和を重んじるあまり、衝突や意見の否定を避けて、みんなの意見を盛り込んでしまうといったことがよく起こります。

みんなの意見を聴くのはとても大切なことですが、「全部入り」のアイデアではなく、複数の意見からから新しい切り口を見つけたり、組み合わせたりしてよりオリジナリティを生み出すことが大切です。話し合いの過程で、意見のぶつかり合いが起きることもあります。あくまでよい企画を出すためのディスカッションです。怖がらずに、徹底的にぶつかり合いましょう。同様に、他者からのフィードバックを受けた場合もそのまま受け入れるのではなく、自分たちの意思で取捨選択してくださいね。

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