解説|デザインリサーチ

ワークショップ

当事者や関係者からヒントを得るための調査だよ

ワークショップとは?

ワークショップの種類はさまざまです。陶芸のワークショップ、演劇のワークショップ、まちづくりのワークショップ・・・などあげたらキリがありません。”workshop”とCambridge Dictionary英英辞典で調べると複数の意味が出てくるのですが、そのうちの一つに「あるテーマや活動について議論したり、実践したりするための人々の集まり(日本語訳)」とあります。今回紹介するワークショップは、この定義に当てはまります。

何のためにワークショップを開催するの?

コ・デザイン」「共創デザイン」「協働デザイン」「参加型デザイン」といったことばを聞いたことはありますか?「デザイナーや専門家などの限られた人々によってだけでなく、実際の利用者や利害関係者たちと積極的にかかわりあいながらデザインを進めていく取り組み」のことです[1]。

コ・デザインでよく行われるのがワークショップです。例えば、廃校になった小学校の活用について想像してみましょう。もしあなたがその小学校の卒業生で、かつ廃校になった小学校を地域のために活かしたいと考えていたのに、知らない間に活用方法が決まってしまったらどう思いますか?

淋しいし、残念な気持ちになりますよね。もちろん、想定していた以上に素敵な使い方が提案されているかもしれません。でも、やっぱり疎外感を持ってしまいそうです。もしこれが自分の家だったら・・・そこで暮らす人たちが設計に参加するのは当然です。そう考えると、自分が利用する公共施設やプロダクトをつくるときにも参加できたらと思いますよね。

でも、あなたとは違う意見を持った人もいるでしょう。意見がぶつかって揉めることもあるかもしれません。そんなときに役に立つのがワークショップです。

ワークショップにいろいろな立場の人たちが参加すれば、それぞれの意見に耳を傾けて理解し合うことができます。このプロセスがあることで、利用者や運営者の関係性が生まれ、施設がオープンしたあとも、ともに施設を育てていこうという意識が醸成される可能性が高まります。

ワークショップの進め方

ワークショップの進め方には決まりはありません。ワークショップのイメージがわかない、という人は興味があるものに参加することをオススメします。本もたくさん出版されていますので、読んでみるといいでしょう。でも一番は、参加すること。本を読むだけでは空気感がわかりません。

何のために行うワークショップなのか・・・やはりここでも、目的をはっきりさせることが大切です。それによって、どんな内容にするのか、どんな人に参加してもらうのか、何回開催するのかなど、ワークショップの骨格が決まります。手法にこだわらず、どうすれば目的を達成できるのか、クリエイティブに考えてみてください。

未来を創り出すパートナーを目指して

企業や自治体が利用者や関係者の声を聞くためにワークショップを開くことも増えています。どこまで当事者の声を取り入れるかはわかりませんが、みんなに愛される施設やプロダクトをつくるためには色々な人の意見を聞くことが大切だと考えていることは間違いありません。

ワークショップをリサーチに含めたのは、利用者や関係者から想いやアイデアを知ることができる機会だからです。でも、本当に大切なことは、当事者や関係者が互いを理解し合い、未来を創り出すパートナーになることですよね。ワークショップを開催するときには、そのことを忘れずに。

  1. 上平崇仁, コ・デザイン —デザインすることをみんなの手に, NTT出版, 2020
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