解説|アイデア発想

具体的なかたちにする

コンセプトから試作品や完成イメージをつくるよ

「かたちにする」とはどういうことでしょうか?かたちにすると言っても、いきなり商品開発なんてできませんよね。でも、試作品を作ったり、商品が販売されたと想定してポスターやリーフレット、プロモーションビデオをつくることはできます。

プロトタイプをつくる

プロトタイプ、ということばを聞いたことはありますか?プロトタイプとは、検証するための試作品のこと。試作品をつくって検証することを「プロトタイピング」と表現することもあります。いきなり完成品をつくることは難しいので、試作品を土台にしてより理想に近く実現可能なかたちを探っていくのです。

下記は、ADHDで、月をまたいだ予定が把握できずに困っている友人のために考えたカレンダーの試作品です。すべての月がつながっており、月の境目がありません。どこで折り曲げても使えるように、曜日を磁石にして動かせるようにしています。

カレンダーは、市販の用紙に印刷し、厚紙に貼り付けています。100均で販売されているシート状の磁石をカッターで切断し、上から曜日の紙を貼っています。簡単に手に入る材料でつくったものですが、ことばで説明するよりも多くのことを伝えることができますよね。

下記は、長野県塩尻市の新しいブランドづくりに取り組んだ際のプロトタイプです。プレゼンに加え、よりイメージが伝わるように画用紙でプロトタイプを作成しています。

完成イメージをつくる

クラウドファンディングをご存じですか?挑戦する人に対して、応援したい人が寄付や事前購入で応援する仕組みです。海外から始まり、日本でも複数のプラットフォームがあります。挑戦する人は、まだ取り組みの途上です。でも、いずれはこんなサービスを立ち上げるよ、こんな商品をつくるよと、完成イメージを伝えます。

ビジュアルで完成イメージが用意できれば、どんなことに取り組むのかを理解してもらいやすいですよね。利用者からもフィードバックをもらいやすくなります。だから、かたちにすることはとても大事なんですよ。こちらも試作品、プロトタイプのひとつのかたちです。

下記は、まさに「ソーシャルデザインプロジェクトをやりたい!」という人を応援するためのプラットフォームをつくりたいと思って考えたもの。まだ実現できていないのですが、あたかも存在するかのようにリーフレットやプラットフォームの画面イメージをつくりました。

利用シーンを描く

アイデアを広げよう」で、利用シーンを描きましたね。その利用シーンをプロモーションビデオや寸劇で表現することもできます。動画を用意するのが難しくても、プレゼンテーションする際に寸劇を入れることで見ている人たちの理解がグッと深まります。サービスやプロダクトを通して、どんな体験を得られるのかをイメージしてもらいましょう。

サービスフローやステークホルダーマップを描く

サービスの流れやステークホルダー(関係者)を図で表します。どんな流れでサービスを使うのか、どんな人たちが関係するのかを可視化しておくことで、サービスの実現性を評価しやすくなります。

サービスフローって?

例えば、映画を見るまでの流れを考えてみましょう。観たい映画が決まっているという前提でフローを書いてみます。

  1. 観たい映画の公式サイトに行き、上映館を探す
  2. 映画館のWebサイトに遷移し、上映日を探す
  3. 映画と上映時間を選ぶ
  4. 座席を選ぶ
  5. チケットの種類を選ぶ
  6. 支払い方法を選ぶ
  7. 決済する
  8. チケット購入メールを受信する
  9. 映画館に行き、QRコードを提示する

映画を観るまで、細かいフローがありますよね。上記はインターネットでチケットを購入するためのフローでしたが、窓口でしか販売しないという映画館もあるでしょう。その場合はフローが異なりますよね。現在考えているサービスは、どんなフローで利用者に提供するのかを描くことでサービスの輪郭がクリアになります。

どこまで詳細に描くかは状況次第ですが、ある程度は提供方法をイメージしておく必要があります。仕入れのあるサービスならばどこから仕入れるのかを考える必要がありますし、定期購入サービス(サブスク)やアフターフォローなど考えておくべきことはたくさんあります。

ステークホルダーマップとは?

サービスを立ち上げて運営する上で関わる人たちを描いたものです。表現はさまざまですが、情報やお金の流れなどを描くと、よりわかりやすいですね。下記は、とある医療系のサービスを考えたときに作成したものです。

サービスの利用者、医療機関、研究機関、小売店、提携する企業などが、どのような関係性で関わるのかを図で表しています。

以上、さまざまな「かたちにする」方法を紹介しました。かたちにすることで、まだ存在しないプロダクト、サービスであっても、さまざまな方法でイメージを共有することができます。完全である必要はありません。具体的なかたちにして伝えることで、多くのフィードバックが得られます。フィードバックがあれば、企画を進化することができますよね。だから、かたちにすることはとても大切なのです。

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