解説|デザインリサーチ

インタビューの極意

インタビューする上で大切な7つのポイントを伝えるよ

インタビューの7つの極意を紹介します。簡単そうに見えるけど、実際やってみると難しいんです。でも、慣れれば大丈夫。場数を踏みましょう!

インタビューの極意

  1. 全力で聴く
  2. 最後まで話を聴く
  3. キャッチボールをするイメージで
  4. 表面的な言葉にとらわれない
  5. 誰かの話でなく、あなたの話を
  6. 効果的な質問で掘り下げよう
  7. まっさらな気持ちで!

全身で聴く

相手に関心を持っていることを全身で伝え、目を見て、 真摯に耳を傾け、話に集中します。相手の話を否定したり判断したりしないようにしましょう。こちらが真剣に話を聴いていると思えば、相手も誠実に話をしてくれるはずです。相手と自分は合わせ鏡だと思って、全身で聴きましょう。

最後まで話を聴く

最後まで話を聴いてくれると思えば、相手は安心して話せます。話をさえぎらないで、最後まで相手の話を聴きましょう。つい同感して「はい、はい」とか「そう、そう!」と言いそうになりますが、最後まで聴いたらあなたが思っていたのとは違うことばが出てくるかもしれません。

あなたの考えはちょっと脇において、寄り添って相手のことばに耳を傾けましょう。相手の話を聴くということは、相手を尊重することです。話をじっくり聴いてもらえたら、自分を大切にしてくれていると感じますよね。

キャッチボールをするイメージで

相手がどう感じているのか、どんな経験をしたのか、Yes, Noで答えるような質問ではなく、語りを引き出しましょう。質問項目に捉われると、一問一答になりがちです。相手の話を受けて質問することで、意外な話が聞けるかもしれません。投げて、返す、また投げる。まさに、キャッチボールのイメージです。

表面的な言葉にとらわれない

あなたは誰かに「自分の気持ちを話して」と言われたら、思っていることを適切なことばで伝えることはできますか?それどころか、ことばにできない気持ちもあるでしょう。だから、相手が発したことばにとらわれてしまうと、本当の気持ちをつかむことができないかもしれません。

相手の心の奥深くにあることを探っていきましょう。相手にも見えてない可能性があるので、一緒に探るような気持ちで「こんな気持ちですか?」と質問してみるのも手です。そうすることで「そうそう」ということもあれば、「うーん、ちょっと違うんだよな」ということもあります。

誰かの話でなく、あなたの話を

専門家に話を聞くのであれば一般論もいいですが、自分ではない誰かの話をしたり、一般的にはこうだよねと話す人もいるかもしれません。

例えば、自治体職員の方にインタビューしたときに「役場としてはこう考えている」という答えが返ってくるかもしれません。その人個人の話を聴きたいなら「あなたはそれについてどう思いますか?」と聴いてみましょう

効果的な質問で掘り下げよう

本人がことばにできていない想いを引き出すのは、とても難しいですよね。例えば「楽しかった」と相手が言ったとき、どこがどんなふうに楽しかったのでしょう?「楽しい」という気持ちは、状況によって、人によって違いますよね。そのまま「楽しかったんですね。では、次の質問に行きますね」と言うこともできますが、掘り下げると新しい発見があるかもしれません。

例えば、「もう少し具体的に教えてください」 「どんなふうに感じたんですか?」 「なぜそう思ったんですか?」とさらに質問をしてみましょう。くれぐれも、詰問するような印象を与えないように。あくまで、あなたのことをもっと知りたいんです、という姿勢でね。

まっさらな気持ちで!

100%まっさらな気持ちって、まず難しいですよね。話し手も聴き手も「◯◯はこういうもの」という思い込みがあります。自分の経験や見聞きしてきたものを通じて、なんらかのバイアス(偏見)を持っています

例えば、1歳の子どもを育てる人に話を聴いたとしましょう。もし、子育ての経験がないと、子どもが生まれて幸せいっぱいだろうと思うのではないでしょうか。でも、楽しいことばかりとは限りません。ところが「子どもが生まれて幸せなはず」という前提で話を聞くと、それ以外の話を引き出せない可能性があります。

聴き手に「子どもが生まれて幸せなはずだ」というバイアスが透けて見えると、子育てが辛いとは言いづらいですよね。話し手も無意識に、自分の理想や一般論に当てはめてポジティブな面だけを話そうとするかもしれません。

このように、一般的な傾向に一部は当てはまっても、当てはまらないこともある、という人が少なくないでしょう。でも、当てはまらないことをあえて話そうとしないかもしれません。でも、そこにこそ、新たな発見があるはずです。バイアスがあることを認識し、できるだけ思い込みを外して、わかったつもりにならずに話を聴きましょう。

練習してみよう

はじめてインタビューに挑戦する人は、練習してから本番に臨むことをオススメします。3人1組、またはペアになって、テーマを決めてインタビューします。自分が取り組もうとするテーマがいいでしょう。

例えば、訪日外国人のためのサービスがテーマだとしたら「あなたにとって最高の旅とは?」というテーマでインタビューするといったイメージです。

3人1組の場合は、話し手(インタビュイー)・聴き手(インタビュアー)・メモ係兼聴き手(サブインタビュアー)となり、役割を回しながら3人の話を聴いていきます。最後に、自分がインタビューした相手の「最高の旅」についての気づきを発表します。ペアの場合は、話し手・聴き手になればOKです。

インタビューの説明で示したように、質問項目を考えるところから練習してみましょう。ひとりずつ10〜15分程度インタビューするだけでも、学びがありますよ。聴き手はもちろん、話し手の立場を経験することで、話す側のもどかしさを理解できるでしょう。

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