「不確かな状況、複雑でよくわからない状況や刺激に直面したときにそれを受け入れ、手探りする力」だよ
不確実性が高く、正解がない状況を受け入れよう
デザインする力を解き放つために、カギとなるのが「わからないを受け入れる力」です。不確かな状況、複雑でよくわからない状況や刺激に直面したときにそれを受け入れ、手探りできる力です。学生でも社会人でも不確実な状況に慣れている人は稀です。というのも、家庭でも学校でも会社でも、親、教師、会社がリスクを回避できるよう先回りして環境を整えてくれることが多いからです。どうすれば不確実性や曖昧さを受容することができるのでしょうか。
これまで私たちが受けてきた教育では、効率よく正解に辿り着くことが評価されてきました。効率性を重視する人はすぐに正解を探そうとします。そのため、正解がないこと、何も決まっていない不確実で曖昧な状態であること、プロジェクトに関わる誰もが答えを持っていないことを認識する必要があります。そうでないと、永遠に正解を探し求めて疲弊してしまいます。
人間は基本的に不安定な状況よりも安定した状況を好むと言われています[1]。冒険心の強い人にとっては、不確実な状況ほどワクワクしますが、そういった人は少数派ですね。とはいえ、「よくわからない」状況に慣れることはできます。
学校教育や仕事の中で、決められた枠の中で効率よく動くことに慣れていると、不確実性への耐性は弱まっていきます。誰かが環境を用意してくれるのが当然と考えると、失敗したときに環境のせいにしてしまうこともあります。つまり、他責思考の人間を増やすことになるのです。
「わからない」に対するストレスはみんなで乗り越えよう!
すべてが手探りの状況にストレスを感じていても、チームの関係性がよければストレスが軽減し、乗り越えることができます。チームの関係性構築については「ポジティブに捉える力」や「コラボレーションする力」で説明します。
- 北村英哉, 唐沢穣, 沼崎誠, 偏見や差別はなぜ起こる?, ちとせプレス, 2018