生まれた企画を伝えて協力者を見つけるよ
仲間を増やしたいとき、関係者に理解してもらいたいとき、出資してもらいたいとき・・・試作品や完成イメージとともに、なぜそのサービスやプロダクトが必要なのかを伝える必要がありますよね。そう、プロジェクトではプレゼンテーションする機会がものすごくたくさんあるんです。
何を目的に誰にプレゼンするのか?
プレゼンするときも、リサーチするときと同じで目的が大切です。誰に何をしてもらうためにプレゼンするのかをよく考えましょう。仲間になってもらうため?許可をもらうため?お金を出してもらうため?目的によって、相手によって伝えかたは異なります。
与えられた時間もその都度違うでしょう。5分なのか、20分なのか・・・与えられた時間で誰に対して何を伝えるのかを組み立てる必要があります。とはいえ、共通する部分もありますから、まずはフルバージョンをつくり、それをもとにアレンジするといいでしょう。
プレゼンで伝えたいこと
どんなことをどのように伝えたら、聴いている人にそのサービスやプロダクトがある未来を想像してもらえるでしょうか?プレゼンで伝えたいことを挙げてみました。もちろん目的によって必要な要素が異なるので、下記をヒントに追加・変更してください。
- アイデアの概要・掴み
- 課題・ニーズ
- 機能や体験の流れ
- 提供価値
- 実現に向けての課題
- 聴き手へのメッセージ
では、ひとつずつ見ていきましょう。
1. アイデアの概要・掴み
何だろう?気になる!と聞き手の興味関心を惹くフック(つかみ)を入れましょう。名前、キャッチコピー、ビジュアル(写真、イラストなど)も大切です。自分がプレゼンを聴く側になったつもりで、なにをどう伝えたら興味を持ってもらえるのかを考えてみてください。例えば、「〜で困ったことはありませんか?」などの問いかけ、「あるある」「わかるわかる」と思わせるシーン描写などです。お笑いでも、プレゼンでも「つかみ」は大切ですよね。
2. 課題・ニーズ
背景を説明し、アイデアに説得力を持たせましょう。
①実体験にもとづくエピソードや体験談
自分自身の体験はもちろん、フィールドワークで観察したこと、インタビューで聴いたことを示すことで、グッと説得力が高まります。また、フィールドワークやインタビューから発見したインサイトを示すこともポイントです。リサーチからなにが言えるのか、解釈したことを伝えましょう。
②統計にもとづいたデータや事実
省庁や民間団体・企業が出してる報告書、調査データなど、客観的な数字を見せることも必要です。フィールドワークやインタビューでは直接声が聴けるものの、人数が限られます。そのため、定性的な調査に加え、定量的な調査結果を示すことで、より説得力が増すのです。グラフにするなど、直感的に理解できる工夫も必要ですね。
3. 機能や体験の流れ
具体的な体験場面を提示し、印象づけましょう。ストーリーボードを寸劇として演じたり、未来のニュースを読み上げたりすると、聴衆の解像度(よりクリアになる)がグッとあがります。
利用前・利用中・利用後の体験の流れ、Before/Afterの変化を説明したり、プロトタイプを見てもらったり。アイデアを象徴するもの、体験をイメージできる試作品がひとつでもあると、印象に残ります。
4. 提供価値
改めて、この企画には誰にとってどんな価値があるのかを示します。誰にプレゼンするのかにもよりますが、関わる人はもちろん、社会のとっても価値のある企画であることを示せるといいでしょう。
昔から「三方よし」ということばがありますよね。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」・・・世間とは、社会のことです。もし、三方よしと言えないのであれば、もう一度企画に戻って練り直す必要がありそうです。
5. 実現に向けての課題
現時点で考えられる課題を示しましょう。例えば、類似サービスがあるとか、関係者へのリサーチが不足しているとか、実現するためのリソースが不足しているなどです。聴き手が引っかかりそうなポイントは押さえておきましょう。そうでないと、リサーチ不足だな、考え抜かれていないなと思われてしまいます。
すべてをプレゼンで説明する必要はありません。ただ、質問されたら答えられるように準備しておきましょう。
6. 聴き手へのメッセージ
価値と課題を提示したあとで、聴き手になにをしてほしいのかを伝えましょう。お金を出してほしいのか、仲間になってほしいのか、協力してほしいのか・・・興味を持ってもらうだけで終わってしまってはもったいないですよね。
聴き手も具体的になにをしてほしいのか、ダメもとのつもりで、遠慮なく伝えましょう。もちろん、関わることによってどんな楽しいこと(メリット)があるのかも伝えるといいでしょう。
最後に、自分たちがどんな想いを持って取り組もうとしているのかも伝えましょう。真摯に取り組んでいれば、必ずやサポートしてくれる人が現れますよ。
プレゼンの3S
プレゼンする上で大切なことを3つお伝えします。
- ストーリーテリング
- スライド
- スピーチ
1. ストーリーテリング
「プレゼンで伝えたいこと」を参考にストーリーを組み立てましょう。順序に決まりはありませんが、どんな流れにすると魅力的に伝わるのか考えてください。注意点としては、自分たちは企画内容を理解しているので、説明を省きがちです。第三者に聞いてもらい、わからないところを指摘してもらいましょう。
2. スライド
用意する枚数に制限はありません。目安としては、1スライド30秒以内です。それ以上かかりそうならスライドを分割しましょう。また、見やすく、わかりやすく、工夫することを意識して。口頭で伝えるなら、すべての文言をスライドに入れる必要はありません。要点を大きなフォントで示すといいでしょう。図表、イラスト、写真などビジュアルで伝えることも大切です。
3. スピーチ
テンポ良く、間を取りながら、はっきり発声すること。 語尾が小さくならないように注意しましょう。ゆっくりすぎるかな?と思うくらいのスピードでOKです。はじめて企画を聞く人たちが理解しやすいように配慮してください。
自信がなさそうに話すと、聴いている人たちが不安になります。例えば、講演などで話者が自信なさそうにしていたらどうでしょうか。内容に対して不安を感じますよね。プレゼンも同じです。自信を持って堂々とプレゼンしましょう。
心配であれば、原稿を用意しても構いません。前を向いて大きな声で話せるよう、何度も練習しましょう。「人前で話すのは苦手」と思い込んでいる人がいるかもしれませんが、プレゼンは慣れです。やらなければ苦手なままですが、やれば必ず上達します。